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2011/6/15

企業情報

LDK Solar―独同業の買収に意欲―

この記事の要約

中国の大手太陽電池メーカーLDK Solarが独同業の買収に意欲を示している。優れた技術を取得するとともに、ブランドイメージも改善したい考えで、すでに買収候補を絞り込んだ。同社のJack Lai財務担当取締役が『ハンデル […]

中国の大手太陽電池メーカーLDK Solarが独同業の買収に意欲を示している。優れた技術を取得するとともに、ブランドイメージも改善したい考えで、すでに買収候補を絞り込んだ。同社のJack Lai財務担当取締役が『ハンデルスブラット(HB)』紙に明らかにした。

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LDKは6年前に設立された太陽光発電モジュールメーカーで急成長を続けており、2010年の売上高は前年の11億ドルから2倍強の25億ドルに拡大した。今年は1.4倍強の36億ドルへと伸ばし、世界最大手のSuntech(中国)に肩を並べる計画だ。

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ただ、LDKはSuntechに比べて低価格帯製品メーカーとのイメージが強く、技術力とブランド力の強化が大きな課題となっている。Lai取締役はHB紙に対し、「ドイツのブランドイメージと技術に中国の低賃金を結び付ければ、グローバル市場の最大手を創出できる」と抱負を語った。

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買収先候補としては事業提携先の独Sunway AG(コンスタンツ)を挙げた。Sunwayからは太陽光発電セルを調達しており、買収を実現すればLDKはセルからモジュールまでを一手に手がけるメーカーへと脱皮できる。Lai取締役は「結婚の前には婚約が必要で、さらにその前にデートをするものだ」と述べ、近い将来に買収することはないとの見解を明らかにした。

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これについてSunwayはコメントを控えている。ただ、同社は国外市場の開拓が遅れており、売上規模も2億2,300万ユーロと小さいため、熾烈な競争が続く太陽電池市場で長期的に生き残るのは難しい。

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Lai取締役はこのほか、太陽電池セル大手の独Q-Cellsにも関心を示した。Q-Cellsのネディム・ツェン社長は他社との合併に前向きな姿勢を打ち出している。

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