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2011/6/15

経済産業情報

融資口座の維持費、顧客負担は不当=最高裁

この記事の要約

住宅金融や消費者ローン契約時に開設する融資口座の維持費(管理費)負担をめぐる係争で、最高裁の連邦司法裁判所(BGH)は7日、口座管理費を顧客負担とする約款は不当との判決を下した(訴訟番号:XI ZR 388/10)。\ […]

住宅金融や消費者ローン契約時に開設する融資口座の維持費(管理費)負担をめぐる係争で、最高裁の連邦司法裁判所(BGH)は7日、口座管理費を顧客負担とする約款は不当との判決を下した(訴訟番号:XI ZR 388/10)。

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今回の係争はノルトライン・ヴェストファーレン州消費者センターがInternationale Bankhaus Bodenseeを銀行側の代表機関として提訴していたもの。融資口座の維持費を顧客が毎月支払うことを融資契約の約款に定めることは、普通契約約款作成者(ここでは銀行)の契約パートナー(ここでは消費者)に不利になる取り決めを禁止した民法典307条1項の規定に抵触するとして、約款の取り消しを求めていた。

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BGHの裁判官は、融資口座は銀行側が出納業務上の都合で開設するもので、顧客は普通口座以外に返済専用の口座を新たに持っても特別な利益を享受しないと指摘。業務の遂行にかかるコストを顧客に負担させることは認められないとの判断を示した。

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ただ、BGHは遡及請求の期限については言及しなかったため、銀行側は手数料返還請求の一般的な期限とされる過去3年以内に支払われた手数料しか対象にしない可能性がある。これに対し消費者センターは「返済が完了してから3年以内」との解釈を提示。現在返済中のローンだけでなく、2008年以降に完済したローンについても管理費返還請求の対象になるとしている。

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