欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2011/6/22

経済産業情報

ネットショップ台頭で書籍店頭販売が苦戦

この記事の要約

インターネットの成長を受けて、店舗での書籍販売が下降線をたどっている。独書籍取引協会によると、店頭販売の2009年売上シェアは52.3%で前年から0.3ポイント低下。売上高も過去5年で2.5%縮小した。一方、ネット書店の […]

インターネットの成長を受けて、店舗での書籍販売が下降線をたどっている。独書籍取引協会によると、店頭販売の2009年売上シェアは52.3%で前年から0.3ポイント低下。売上高も過去5年で2.5%縮小した。一方、ネット書店の09年売上高は前年比で16%増加し、市場シェアは1.5ポイント増の12.2%へと拡大した。店頭販売シェアが50%を割り込むのは時間の問題というのが業界関係者の見方だ。15日付『ハンデルスブラット』が報じた。

\

店舗販売の縮小を受け、書店各社は戦略の見直しを余儀なくされている。書籍チェーン大手のHugendubelは年内にヴェツラー店を閉店するほか、来年3月末にはカッセルの店舗を2店から1店に削減する。また、ベルリンの旗艦店も来年3月末に閉店し、規模を縮小して市内の別の場所に移転する計画だ。親会社DBHは別の書店子会社Wohlthat’scheのベルリン支店10店舗を手放し、残り16店も系列子会社のWeltbildなどに譲渡する。

\

メディア大手Bertelsmannの会員制書籍販売子会社Der Clubは6日、これまで会員しか利用ができなかった全国226の店舗を7月から会員以外にも開放すると発表した。会員数の減少を受けた措置で、一般客にも門戸を広げることで売上増を狙う。会員の特典を維持するため、一般客には定価で、会員には割引価格で販売する。また、特に売り上げの多い60店については店名を「Zeilenreich」に変更し、通行客へのアピールを強化する。

\

独書籍小売2位のThaliaは2011年3月中間決算の売上高を前年同期比で3.8%拡大した。主力の店舗販売が1.7%減少し苦戦したものの、オンライン書店子会社Buch.deが好調で相殺された格好。ただ、店頭売上の減少が打撃となり、営業利益(EBIT)は半減した。同社は当初、11年9月期に新店舗10店をオープンする計画だったが、昨年10月からこれまでに開店したのは2店にとどまる。

\