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2011/7/27

総合 - ドイツ経済ニュース

食品表示ポータル運営開始、食品業界からは批判

この記事の要約

独消費者センター全国連盟(VZBV)は20日、食品表示に関する消費者ポータルサイト「lebensmittelklarheit.de」の運営を開始した。連邦食糧・農業・消費者保護省(BMELV)の支援を受けて生まれたもので […]

独消費者センター全国連盟(VZBV)は20日、食品表示に関する消費者ポータルサイト「lebensmittelklarheit.de」の運営を開始した。連邦食糧・農業・消費者保護省(BMELV)の支援を受けて生まれたもので、紛らわしい食品表示の例を紹介するほか、消費者から寄せられた疑問やそれに対する回答を掲載する。食品産業は「消費者の主観でさらしものにされる」として同サイトを厳しく批判している。

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Lebensmittelklarheit.deはBMELVの「食品表示明確化・適正化」イニシアチブの一環で立ち上げられた。目的は食品表示に関する正しい知識の普及、および偽装表示や紛らわしい表示からの消費者保護だ。メーカーや販売店が分かりやすい正確な表示を採用することで競争力を高めることも狙っている。サイトの管理はヘッセン州消費者センターが担当、BMELVは11~12年の2年間に計77万5,000ユーロを拠出する。

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サイトにはパッケージのイメージ写真と中身が大きく食い違う鶏肉製品や内容量を実際よりも多く見せかける上げ底パッケージ、「うま味調味料無使用」をうたいながら酵母エキスが添加されていた粉末スープなど、消費者センターに寄せられた苦情や相談例が具体的に挙げられている。こうした苦情に対しメーカーが何らかの対応をした場合は、その内容についても紹介されている。

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食品メーカー側は「一部の消費者の主観で、合法的な食品表示を行っているメーカーが一方的にさらしものにされる」として同サイトに激しく反発しており、法廷での争いも辞さない構えだ。これに対し、イルゼ・アイクナー消費者保護相は「サイトで公表する前に掲載内容を法律に照らして全てチェックしている」と反論している。

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