独露定期首脳会談「ペテルブルク対話」が17~19日の3日間、ドイツで開催された。11回目となる今回は来年3月にロシアの大統領選挙が控えていることもあり、これといった大きな成果はなかったものの、メルケル独首相はロシアに対しビザ発給手続きの簡素化の検討を約束。メドベージェフ露大統領も同様の措置の検討を請け合った。
\ビザ申請の手間は企業活動の大きな足かせとなっており、ドイツ経済界の東欧委員会が国内企業200社を対象にこの春実施したアンケート調査では、83%が「ロシアとの間でビザを廃止することは今後のビジネス展開にとって重要だ」と回答した。「ビザの問題だけで国外受注を逃したことがある」企業は20%に上っており、この問題の重要さがうかがわれる。同委員会の試算によると、ドイツとロシアの企業のビザ取得コストは年間1億6,200万ユーロに上る。
\首脳会談ではロシア側からドイツへの天然ガス輸出の拡大に期待が示された。原発廃止を前倒ししたドイツで原発に代わる電源の確保が重要な課題となっているためだが、メルケル首相は再生可能エネルギーを最重視する立場を示し、ロシアの期待に水を差した。
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