欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2011/7/27

企業情報

Deutsche Bank AG―来年から2トップ体制に―

この記事の要約

独最大手銀行のDeutsche Bank(フランクフルト)は25日、投資銀行部門を統括するアンシュー・ジェイン取締役(48)とドイツ事業を担当するユルゲン・フィッチェン取締役(63)が来年5月に次期頭取に就任すると発表し […]

独最大手銀行のDeutsche Bank(フランクフルト)は25日、投資銀行部門を統括するアンシュー・ジェイン取締役(48)とドイツ事業を担当するユルゲン・フィッチェン取締役(63)が来年5月に次期頭取に就任すると発表した。ヨーゼフ・アッカーマン現頭取(63)は監査役会長となる。これにより同行のトップ人事をめぐる問題はひとまず決着した格好だ。

\

アッカーマン頭取は当初、2010年に引退する意向だったが、監査役会で過半数の支持を得る後継者候補がなかったため、任期を2年間延長した。今年に入って独連邦銀行(中銀)のアクセル・ヴェーバー前総裁を強く推したが、クレメンス・ベルジヒ監査役会長が難色を示したため実現せず、ヴェーバー氏は今月初旬、スイスの金融大手UBSの次期監査役会長に就任することが決まった。

\

ジェイン取締役は利益の8割を稼ぎ出す投資銀行部門を統括しているため、以前から次期頭取の筆頭候補に挙がっていた。だが、インド人でドイツの政財界に人脈を持たないうえ、投資銀行畑の経験しかないことがネックとなり、これまでは監査役会で過半数の支持を得られなかった。従業員代表の監査役からはジェイン氏が頭取になるとリテール部門を軽視し、投資銀行部門の比重が一段と高まるとの懸念が出ていた。

\

フィッチェン取締役とともに共同頭取になるという今回の人事はこうした問題点を相殺するための措置で、フィッチェン氏は時期をみて2015年までに頭取を辞任し、その後はジェイン氏が単独トップに立つとみられる。フィッチェン氏の任期が今回2015年までしか延長されなかったのに対し、ジェイン氏は2017年まで延長されている点からそうした意図が読み取れる。

\