製薬・化学大手の独Bayer(レバークーゼン)が工場の国外移転を視野に入れ始めた。原発廃止の前倒しが決まったことで、ドイツの電力料金上昇が避けられなくなったためだ。同社のマライン・デッカー社長が経済誌『ヴィルツシャフツヴォッヘ』に明らかにした。
\同社長は「ドイツはエネルギー集約型の化学産業にとって生産拠点としての魅力がなくなる」と明言。Bayerのようなグローバル企業はエネルギーコストの低い国への生産移管を検討せざるを得なくなったとの立場を示した。ドイツのエネルギー料金は以前から欧州連合(EU)内で最も高いとも指摘している。
\米国とユーロ加盟国の財政危機問題や中国の景気減速については、世界経済に深刻な影響をもたらさないとの見方を示した。
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