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2011/8/31

経済産業情報

消費財見本市Tendence、出展減にかろうじて歯止め

この記事の要約

770年の歴史を持つ秋・冬物国際消費財見本市「Tendence」が8月26日~30日の5日間、フランクフルトで開催された。クリスマスギフト用品に重点を置くという新戦略で開かれた今回は出展者が前年を6社上回る2,055社に […]

770年の歴史を持つ秋・冬物国際消費財見本市「Tendence」が8月26日~30日の5日間、フランクフルトで開催された。クリスマスギフト用品に重点を置くという新戦略で開かれた今回は出展者が前年を6社上回る2,055社に増加。来場者数は5万2,000人と前年を5,000人下回ったものの、主催者のフランクフルト見本市社はオーダー規模が前年を上回るなど活発な商談が繰り広げられたとして満足感を示した。

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Tendenceは競合する消費財見本市との競争にさらされており、2000年頃を境に縮小傾向が続いている。出展者は02年の4,400社から07年には3,010社へと落ち込んだ。フランクフルト見本市社は状況打開に向けて08年に開催時期を7月へと前倒し。中国などアジアに生産拠点を持つメーカーが増え発注の時期が早まっていることに対応したが、改善しなかった。09年の出展者・来場者に実施したアンケート調査の結果、7月開催は不評だったため、10年から元の8月末開催に戻した。

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今年は展示品の品数や種類よりも、ドイツのクリスマスギフト向けの高品質製品に重点を置いた。この方針の背景にあるのは市場調査機関GfKが実施したギフト市場調査だ。同調査の結果、ドイツ人が最もギフト代を支出する時期はクリスマスであることや、大半のドイツ人は店頭でプレゼントを購入することが明らかになった。

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フランクフルト見本市はこれを踏まえ、展示の主要テーマを「リビング(内装・インテリア用品)」と「プレゼント(ギフト・デザイン)」に絞るとともに、卸業者や小売大手ではなくそれぞれの個性を打ち出す小・中規模の専門店の参加に重点を置いたという。

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