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2011/10/19

経済産業情報

価格低下や多機能化で電子ブックの普及に弾み

この記事の要約

世界最大の国際書籍見本市「フランクフルト・ブックフェア」が12~16日の5日間、開催された。今回の出展者数は7,384社と前年(7,539社)を下回ったものの、来場者数は前回をやや上回る28万3,000人を確保。日本から […]

世界最大の国際書籍見本市「フランクフルト・ブックフェア」が12~16日の5日間、開催された。今回の出展者数は7,384社と前年(7,539社)を下回ったものの、来場者数は前回をやや上回る28万3,000人を確保。日本からは角川書店、紀伊国屋書店など32社が出展した。また、今年のパートナー国のアイスランドからは作家39人が参加した。

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見本市では昨年に引き続き電子ブックや多機能タブレットPCに関心が集中した。書店大手Thaliaは、新モデルの電子ブックリーダー「Oyo II」(119ユーロ)を発表。タッチスクリーンで操作がしやすくなったほか、辞書機能がついた。

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独書籍取引協会はカラー表示の電子ブック「Liro Color」(99.99ユーロ)を展示した。7インチのタッチスクリーンを採用するほか、MP3プレーヤー、デジタルフォトアルバム機能といったマルチメディア機能を搭載、また現行の電子ブックの全規格に対応している。

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出版大手のWeltbildは閲覧する状況に合わせて本体の向きを縦横に自在に変えられるカラーブックリーダー「eBook Reader 3.0」を公開した。通常価格は119ユーロだが、新発売を記念して当面、半額の59.99ユーロで販売する。ドイツの業界関係者は、価格の低下で手ごろ感が出てきたうえ、機能やデザインの多様化で選択の幅も広がったため、普及に弾みがつくと大きく期待を寄せる。

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一方で、違法コピー・ダウンロードに対する懸念も高まっている。独書籍取引協会によると、ドイツでダウンロードされた電子ブックのうち違法なものは6割に達する。同協会のホネフェルダー会長は政府に対し、違法ダウンロードを行うユーザーにプロバイダーが直接警告することを義務づけるよう要求した。

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