スイスの製薬大手Novartisは25日の決算発表で従業員12万人のうち2,000人を削減すると発表した。製薬業界を取り巻く環境が厳しくなっていることに対応し、年間コストを2億米ドル以上、圧縮する考え。リストラ費用は約3億ドルで、今年第4四半期に計上する。
\人員整理は先進国が中心で、スイスでは1,080人が該当する。本社所在地バーゼルでは製造(削減数230人)事務(同60人)のほか、研究開発でも470人を削減する。また一般医薬品を製造するニヨン工場では320人を整理する。両拠点の製造事業は低賃金国に部分移管する考えで、低賃金国では約700人を新規採用する。研究活動についてもスイスから米国に一部移管する。
\特許薬業界では各国の医療費削減や後発医薬品の追い上げを受けメーカーの業績見通しが悪化しており、RocheとBayerもそれぞれ4,800人、4,500人を削減する。スイスで事業を大きく展開する企業にとってはスイスフラン高も追い打ちをかけている。
\Novartisが同日発表した2011年第3四半期(7~9月)の売上高は148億4,300万ドルで、前年同期から18%増加。営業利益と純利益もそれぞれ14%増の29億5,100万ドル、7%増の24億8,800万ドルと好調だった。
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