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2011/11/9

経済産業情報

ソーラー飛行機プロジェクト、独企業の参加に期待

この記事の要約

太陽エネルギーのみを駆動源とする有人小型飛行機「Solar Impulse」の開発プロジェクト(スイス)を主導するピカール・ベルナール氏は、プロジェクトを支援するドイツ企業を模索している。新たなパートナーとして念頭に置く […]

太陽エネルギーのみを駆動源とする有人小型飛行機「Solar Impulse」の開発プロジェクト(スイス)を主導するピカール・ベルナール氏は、プロジェクトを支援するドイツ企業を模索している。新たなパートナーとして念頭に置くのはエネルギー効率改善や環境技術に注力するボッシュやシーメンスのような企業という。2日付『ハンデルスブラット』紙が報じた。

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Solar Impulseプロジェクトではドイツ銀行(金融)、ソルヴェイ(化学)、オメガ(時計)、シンドラー(エレベーター)の4社が主要スポンサーを務める。また、公式パートナーとしてバイエル・マテリアルサイエンス(化学)、アルトラン(技術コンサルティング)など3社が、公式サポーターとしてもトヨタ自動車など3社が参画する。サプライヤーや研究開発パートナーまで含めた提携先は170機関に上るが、独民間企業の参加はこれまでのところドイツ銀とバイエルの2社にとどまる。

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スポンサーやパートナーは資金・物資面の援助にとどまらず、自社のノウハウを飛行機に投入することや、ソーラー飛行機の技術を自社製品の開発に活かすこともできる。また、ソーラー飛行機を支援することで、クリーンエネルギー開発に取り組んでいることをアピールできるメリットもある。

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Solar Impulseの試作機第1号(Solar Impuls HB-SIA)は、両翼と尾翼に搭載された計1万1,628個のソーラーセルで発電し飛行に必要な電気を賄う。全長21.85メートル(m)、全幅63.40m、全高6.40m。重量は余剰電力を蓄えるリチウムイオン電池(400キログラム=kg=)を含めて1,600kgにとどまる。動力源として出力0.75キロワット(10馬力)のモーター4基を搭載し、離陸速度は35キロメートル毎時(km/h)、平均速度は70km/h、巡航高度は8,500メートルに達する。

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2009年に初試験飛行を実施、10年には26時間の連続飛行を達成した。今年はパリやブリュッセルへの国際飛行にも成功している。

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