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2011/11/30

総合 - ドイツ経済ニュース

クリスマスプレゼント額、前年水準を維持

この記事の要約

ユーロ危機が深刻化し欧州経済の先行き不透明感が高まるなかで、ドイツのクリスマスプレゼント市場が堅調を保っている。雇用の安定が強力な支えとなっており、消費者の財布のひもは欧州の主要国のなかで最も緩んでいるようだ。\ 市場調 […]

ユーロ危機が深刻化し欧州経済の先行き不透明感が高まるなかで、ドイツのクリスマスプレゼント市場が堅調を保っている。雇用の安定が強力な支えとなっており、消費者の財布のひもは欧州の主要国のなかで最も緩んでいるようだ。

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市場調査大手のGfKが28日発表したクリスマスプレゼントに関するアンケート調査。14~64歳の消費者3,558人を対象に10月下旬から11月上旬にかけて実施された同調査によると、1人当たりのプレゼント予算は平均241ユーロに達した。景気の見通しが現在よりも良好だった1年前(245ユーロ)に比べ減少幅は4ユーロにとどまる。

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高額商品の購入意欲に関する指数(2011年1~10月の平均)をみると、ドイツは34に達し欧州の主要5カ国のなかで唯一プラスの領域を確保した。スペインは-10、イタリアは-13、フランスは-26、英国は-46と消費マインドが大きく冷え込んでいる。

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1人当たりのプレゼント予算総額は所得額に比例して大きくなる。ただ、ドイツ人の予算額の増減を所得層別みると、今年は所得の低い層で増加し、高い層では減少している。具体的には世帯の手取り月収が1,499ユーロ以下の層では前年の146ユーロから155ユーロへと9ユーロ増加。同1,500~2,499ユーロの層でも217ユーロから232ユーロへと15ユーロ拡大した。一方、2,500~3,499ユーロと3,500ユーロ以上の層ではそれぞれ267ユーロから260ユーロ、366ユーロから344ユーロへと減少している。

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市場規模は玩具が最大

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プレゼントの人気ランキングをみると、最も人気が高いのは今年も書籍で、調査対象者の37%が「プレゼントする」と回答した。価格が手ごろなうえ、どの年齢層の相手にも贈りやすいため定番中の定番となっている。2位以下は衣料品・アクセサリー(同35%)、玩具(34%)、食料品(26%)、商品券(23%)の順で続く。一方、価格が高い家電類をプレゼンする人は少なく、スマートフォンは2%、パソコンは3%にとどまった。

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製品分野別のプレゼント市場規模では玩具が最も大きく、17億6,000万ユーロに達した。これに衣料品・アクセサリー(16億4,000万ユーロ)、商品券(13億9,000万ユーロ)、書籍(9億5,400万ユーロ)、民生家電(8億300万ユーロ)、宝飾品・時計(7億5,000万ユーロ)、化粧品・香水(6億6,400万ユーロ)、チケット・定期予約(6億6,000万ユーロ)、食料品(6億3,100万ユーロ)、家具(4億7,300万ユーロ)、パソコン(4億3,600万ユーロ)、CD・DVD(4億2,300万ユーロ)が続く。

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一方、コンサルティング大手のアーンスト・アンド・ヤング(E&Y)が2日に発表した販売チャンネル別のクリスマスプレゼントのシェア(金額ベース)をみると、専門店は前年の57%から47%へと大きく低下。これに対しデパート・ショッピングセンターは17%から23%へと大きく拡大した。ショッピングセンターの人気が高まっているほか、経営再建に取り組む百貨店大手のカールシュタットが店舗を大幅に改装していることがプラスに働いているもようだ。インターネットのシェアも15%から19%へと4ポイント伸びている。

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インターネットで購入するプレゼントについてGfKが行った調査では、チケット・定期予約を挙げる回答者が最も多く48%を占めた。これにCD・DVC(46%)、ゲームソフト(46%)、書籍(41%)、パソコン(39%)、ソフトウエアと家電(それぞれ38%)が続く。昨年に比べて増加幅が最も大きいのはゲームソフトで14ポイントに達した。2位はパソコンと民生家電で、それぞれ12ポイントに上る。

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