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2011/11/30

経済産業情報

ハンブルクの地ビール復活にチャレンジ

この記事の要約

北ドイツを中心に飲料の製造・販売を手がけるNordmannグループ(ニーダーザクセン州ヴィルデスハウゼン)が、消滅寸前のハンブルクの地ビール「Ratsherrn」の復活に挑んでいる。同社のノルトマン社長は「ブランド復活に […]

北ドイツを中心に飲料の製造・販売を手がけるNordmannグループ(ニーダーザクセン州ヴィルデスハウゼン)が、消滅寸前のハンブルクの地ビール「Ratsherrn」の復活に挑んでいる。同社のノルトマン社長は「ブランド復活に成功すれば、国際的なビールメーカーに飲み込まれ消滅の危機にさらされている他の小規模ビール醸造所もあとに倣う」と期待を寄せる。22日付『ファイナンシャル・タイムズ(ドイツ版)』紙が報じた。

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Ratsherrnは1951年にハンブルクでピルスビール(Ratsherrn Pilsner)の生産を開始。1970年代には同地で最も人気の高い地ビールとなった。だが、ビール消費量の減少や小売店の値下げ圧力を受けて業績が悪化、93年にドルトムントのビール大手Brau&Brunnenに買収された。その後、Bavaria-St.Pauli、Holsten、Carlsbergと親会社が変わるうちにほとんど生産されなくなり、1998年以降は事実上の休眠状態に陥っていた。

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伝統的な地元のビールブランドが失われて行くのを惜しんだNordmannグループは、Ratsherrnの復活に着手した。2005年に同ブランドの販売権、06年に商標権を買い取った後、10年には醸造会社(Ratsherrn Brauerei GmbH)を設立。シュトラールズントで生産を開始するとともに、1,000万ユーロを投資してハンブルクで醸造所建設を開始した。来年1月には同醸造所での生産にこぎつける見通しだ。

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原材料の配合比はわずかに変更したものの、基本的には伝統の味を守っている。襞襟(ひだえり)をまとった男性のロゴマークがビンの首部分につくデザインもそのままだ。当面は年産5,000キロリットルを見込む。

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