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2012/1/4

ゲシェフトフューラーの豆知識

病欠日数が年6週間以内であれば解雇は不可

この記事の要約

病気で長期間、欠勤する社員が将来的に快復のメドが立たない場合、雇用主は解雇通告できる。問題行動を繰り返す社員の解雇と同様に「予測原則(Prognoseprinzip)」が適用されるのである。では、具体的にどうしたケースで […]

病気で長期間、欠勤する社員が将来的に快復のメドが立たない場合、雇用主は解雇通告できる。問題行動を繰り返す社員の解雇と同様に「予測原則(Prognoseprinzip)」が適用されるのである。では、具体的にどうしたケースであれば病欠社員にこの原則を適用できるのであろうか。ここではマインツ州労働裁判所が昨年9月に下した判決(訴訟番号:5 Sa 152/11)に即してこの問題をお伝えする。

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裁判を起こしたのは被告企業で機械工として働く52歳の女性。同女性は2005年から09年にかけて計273日、病気休業した。病欠日数は05年が31日、06年が34日、07年が157日、08年が10日、09年が41日に上った。

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雇用主はこれを踏まえ、原告社員は今後も病欠を繰り返すと判断。2010年4月末日付の解雇を通告した。

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原告はこれに反論。05~07年の病欠は足のけがによるもので、07年に受けた手術で快復したと主張。また、09年の病欠は婦人病によるもので、これも手術で治療したとして、今後も病欠を繰り返すとする雇用主の判断は恣意的だと批判した。

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原告は第1審のカイザースラオターン労働裁判所で勝訴。第2審のラインラント・ファルツ州労裁も同様の判決を下した。判決理由で裁判官は、病欠日数が年平均6週間を超えなければ解雇はできないとの判断を示した。ドイツでは被用者が病気になった場合、最初の6週間は雇用主が支払い、その後は健康保険が疾病給付金(Krankengeld)を支給する決まりがある。

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裁判官は最高裁への上告は認めていない。

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