メーカーなど大口需要家向けの電力の先物価格が下落している。ライプチヒ電力取引所EEXのベースロード電力2013年物の価格は3日夜、1メガワット時当たり52.19ユーロとなり、13カ月来の低水準を記録した。
\福島原発事故後にドイツが高経年化原発8基(発電能力:計8,400メガワット)を停止したことで、電力価格は大幅に上昇すると予想されていた。国内の発電能力が大幅に低下したためで、8基の停止後にはベースロード電力の先物価格が同60ユーロを突破した。だが、その後は価格が下落傾向にある。
\背景には◇チェコやフランスなど周辺諸国からの電力供給が増えた◇暖冬でエネルギー需要が低迷している◇景気の先行き不安を踏まえ、需要家が先物買いを控えている◇二酸化炭素(CO2)排出量取引価格が下落しているため、CO2排出量の多い石炭発電の価格が下がっている――との事情がある。このため、寒波が到来するなどして事情が変われば、価格は上昇する可能性があるという。
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