ドイツの衣料品小売業界で競争が激化している。成熟市場で売上減少が続くとともに、外資系企業を中心に出店攻勢も加速しているためだ。特に2009年に独市場に参入したアイルランドのPrimarkは若い女性を中心に急速に人気を獲得しており、既存店は警戒感を強めている。4日付『ハンデルスブラット』紙が報じた。
\衣料品の小売市場規模は1995年の650億ユーロから2010年には560億ユーロへと落ち込んだ。低価格帯の分野ではファッション性を兼ね備えた「ファストファッション」の重要性が高まっており、オーソドックスなデザインのベーシック衣料を販売するだけでは生き残ることはできない。
\こうした流れを受けて独市場3位のC&Aは、「ファッション性とベーシックの調和」というコンセプトを打ち出した。新作発表会では国際色豊かなモデルを起用するとともに、人気のテレビスターもショーに登場させてトレンド性、ファッション性を演出。危機の打開を目指している。
\Primarkのような外国企業の独市場参入は量販店ばかりでなく、低価格を武器にするディスカウント業者にとっても無視できない脅威となっている。Tengelmann傘下のKiKは「安いだけではもはや太刀打ちできない」として、これまで力を入れてこなかった店舗のディィスプレーを変更。内装面でファッション性を強く押し出していく。
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