臨床検査業界で再編の流れが加速している。国際的に事業展開する外資系企業の進出に伴う競争激化が背景にあり、国内の業者はサービスの多角化のほか、買収や大手への身売り、小規模企業同士の連携などによって生き残りを図っている。4日付『南ドイツ新聞』が報じた。
\1998年創設のSynlabは、アウグスブルクとシュツットガルトの2つのラボからスタート。小規模の同業買収によって事業規模を拡大し、現在では欧州と中東の17カ国に計175の検査ラボを持つ大手へと成長した。2011年売上高は約6億ユーロで、営業利益率は10~20%に達する見通しという。検査作業は高性能の分析装置で自動化されており、検査できる検体は1分当たり3,000~4,000件に上る。
\同社が手がけるサービスは血液や組織・細胞といった検体検査にとどまらない。住宅や建物のシックハウス分析、飲料水の汚染分析なども行っており、顧客は医療機関から産業、行政機関までと幅広い。同社のヴィマー社長によると、分析機器を利用することで迅速かつ正確な測定ができるため、業務のポイントは検査それ自体よりも、はじき出された大量のデータから「正しい解釈を導き出す」ことに移っているという。
\欧州市場では同社とSonic Healthcare(オーストラリア)がトップ争いを繰り広げるほか、仏Labco、独Limbach Gruppe、スイスUnilabsなどの競合がひしめく。Synlabは単独での生き残りが難しい中小企業からしばしば提携を持ちかけられるが、自らの競争力を維持するために、こうした企業の財務状態や提携の意義を厳しく吟味している。
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