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2012/1/18

総合 - ドイツ経済ニュース

家畜への抗生物質投与制限へ、法改正原案発表

この記事の要約

イルゼ・アイグナー連邦農業相は10日、薬事法改正に向けた原案を発表した。養鶏業者などが抗生物質を家畜に大量投与している現状を改めることが狙い。今後、関連省庁間で意見調整して3月にも閣議決定し、早ければ今秋にも施行したい考 […]

イルゼ・アイグナー連邦農業相は10日、薬事法改正に向けた原案を発表した。養鶏業者などが抗生物質を家畜に大量投与している現状を改めることが狙い。今後、関連省庁間で意見調整して3月にも閣議決定し、早ければ今秋にも施行したい考えだ。

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鶏を大量に飼育する鶏舎で感染症や伝染病が発生すると、群れ全体が感染する恐れがあるため、抗生物質を混ぜた餌が与えられている。この結果、薬剤が効かない耐性菌が発生しやすく、環境・自然保護連盟(Bund)が実施した検査では、スーパーで販売される鶏肉の半数以上から耐性菌が検出された。免疫力が低下した病人などが耐性菌に感染すると治療が困難なため、アイグナー農業相は事態を深刻視。法改正に乗り出した。

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基本的な方向としては家畜への抗生物質投与を必要最小限に制限するほか、各州の監督権限を強化することを打ち出した。また◇動物への投与が認められた人用医薬品を家畜に投与することは原則として禁止する◇医薬品投与の記録義務期間を現在の「と殺前7日」から大幅に延長する――などのルールも導入する意向だ。このほか、獣医による抗生物質販売の禁止も検討する。

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