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2012/1/18

経済産業情報

微生物によるCO2固定で有力候補発見、高温で活性失わず

この記事の要約

独エネルギー大手のRWEと産業バイオ企業のBRAINはこのほど、2年前にスタートした微生物による二酸化炭素(CO2)の固定化・有効利用研究プロジェクトで、高効率なCO2固定能力を持つ候補を絞り込んだと発表した。候補の微生 […]

独エネルギー大手のRWEと産業バイオ企業のBRAINはこのほど、2年前にスタートした微生物による二酸化炭素(CO2)の固定化・有効利用研究プロジェクトで、高効率なCO2固定能力を持つ候補を絞り込んだと発表した。候補の微生物は摂氏60度の環境下でも活性を失わず、石炭火力発電所の排煙からCO2を取り込むのに適しているという。

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RWEの発電子会社RWE PowerとBRAINは2010年1月、ベルクハイム市ニーダーアウセム地区にある褐炭発電所で、微生物を利用したCO2固定化技術プロジェクトを開始した。地球温暖化の原因となるCO2を削減するとともに、微生物が作り出したバイオマスや有用物質(高分子材料など)を獲得することで石油資源の節約を図る狙いだ。プロジェクトの開始からこれまでに投じた資金は200万ユーロに上る。

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BRAINは同プロジェクトのため、自社の微生物データベースのほか、発電所の煙突に生息する微生物を採集し、有望株のスクリーニングを実施。3,000種類以上の微生物からまず排煙環境でCO2固定能力を有するものを選別し、条件にかなった1,000種類の中から特にCO2固定効率の高い29種類に候補を絞り込んだ。このうち、未知、あるいは存在が確認されているが実態がよく分かっていないものは10種類に上るという。

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