鉄鋼系複合企業の独Thyssenkrupp(エッセン)が放出予定のステンレス鋼事業(Inoxum)をフィンランドの同業Outokumpuと合弁化する方向で交渉している。同社の広報担当者が23日、ロイター通信に対し明らかにした。
\Thyssenkruppは売上高で総額100億ユーロの事業を分離・売却する計画を昨年5月に打ち出した。将来性の高い事業に経営資源を集中するほか、債務を圧縮するのが狙いで、ステンレス鋼事業の分離は最大の柱となっている。
\Inoxumの分離に向けては新規株式公開(IPO)とスピンオフ、売却の3つの可能性を視野に入れている。このうちIPOは金融市場が不安定な現状では実現が難しく、スピンオフに関しても移管できる債務の規模が限られるという難点がある。このため、売却は最も有力な放出手段と目されている。消息筋の情報としてロイター通信が報じたところによると、ThyssenkruppはInoxumをまず合弁会社化し、将来的にOutokumpuに全面譲渡したい考えという。
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