欧州連合(EU)の欧州委員会は1日、ドイツ取引所とNYSEユーロネクストの合併計画を承認しないと発表した。合併後の新社が欧州金融派生商品の取引で独占的な地位を獲得し適正な競争が阻害されると判断したため。ドイツ取引所は遺憾の意を表明するとともに、欧州委はデリバティブ市場競争のグローバルな性質を理解していないと批判した。
\ドイツ取引所とNYSEは昨年2月、合併計画を発表した。世界の取引所間で私設取引所も交えた競争が激化していることを受けた措置で、両社は合併による規模のメリットを追求し、競争力を強化する意向だった。
\同計画に対しては欧州委が強い懸念を示したため、両社は11月に一部デリバティブ(金融派生商品)事業の売却を柱とする修正案を提示したが、欧州委はそれでも承認をしなかった。欧州委のアルムニア委員(競争政策担当)は承認に向けて解決策を模索したが、2社の修正案は疑念を取り除くには不十分だったとの見解を表明した。合併を認めると、取引所の直接の顧客だけでなく、欧州経済にも悪影響をもたらすと判断したと説明している。
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