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2012/2/8

ゲシェフトフューラーの豆知識

セクハラは一般平等待遇法違反

この記事の要約

セクシャルハラスメントが起こった場合、加害者はしばしば「単なる冗談のつもりだった」とか「親愛表現のつもりだった」などと弁解する。だが、被害者は不快であったがゆえに訴えたわけだから、こうした主観的な主張は通用しない。ここで […]

セクシャルハラスメントが起こった場合、加害者はしばしば「単なる冗談のつもりだった」とか「親愛表現のつもりだった」などと弁解する。だが、被害者は不快であったがゆえに訴えたわけだから、こうした主観的な主張は通用しない。ここでは社内セクハラに関する係争で最高裁の連邦高等裁判所(BAG)が昨年6月に下した判決(訴訟番号:AZR323/10)に即してこの問題をみてゆきたい。

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裁判を起こしたのは家具販売店で調達・製品管理業務を統括していた男性管理職。同男性は2007年10月18日、女性社員の臀部をたたいたため、セクハラの警告処分を受けた。さらに08年6月25日と26日には26歳の部下(女性)に対し、「食事をしながらセックスをしたことがあるか」など性的な内容の発言を4回も行った。

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同女性部下はこの事実を会社に報告。事態を重くみた雇用主は7月11日付の文書で原告男性に即時解雇を通告した。原告は被害者の女性をからかったに過ぎないなどと主張。解雇取り消紙を求めて提訴した。

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原告は第2審で勝訴したものの、最終審のBAGで敗訴が確定した。判決理由で裁判官は性的な意味を持つボディタッチや発言は一般平等待遇法(AGG)3条4項で禁じられた男女差別に当たり、同7条3項で「契約義務違反」と明記されていることを指摘。警告処分の前歴があることを踏まえれば即時解雇は妥当だとの判断を示した。

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