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2012/2/15

総合 - ドイツ経済ニュース

企業景況感、高水準保つ 商工会議所は2012年GDP予測据え置き

この記事の要約

ドイツ経済が好調を保っているもようだ。独商工会議所連合会(DIHK)が会員企業2万8,000社を対象に年初に実施した景況感定期アンケート調査によると、事業の現状判断はこれまで同様、高い水準を維持。欧州債務危機の深刻化を受 […]

ドイツ経済が好調を保っているもようだ。独商工会議所連合会(DIHK)が会員企業2万8,000社を対象に年初に実施した景況感定期アンケート調査によると、事業の現状判断はこれまで同様、高い水準を維持。欧州債務危機の深刻化を受けて昨秋に高まった景気の悪化懸念は今のところ現実となっていない。DIHKは調査結果を踏まえ、2012年の国内総生産(GDP)成長率を従来予測の実質1%に据え置いた。

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同アンケートで事業の現状を「良い」と回答した企業は46%に達し、「悪い」(同9%)を37ポイント上回った。この数値は過去最高で、昨年初夏の調査から3回連続。旺盛な個人消費を受けて特に消費分野で現状判断が良好だ。

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今後1年間の事業の見通しに関しては「良くなる」が22%となり、昨秋の前回調査から1ポイント減少。「悪くなる」は1ポイント増の17%となった。事業見通しの判断は前回調査で大きく悪化。今回の調査でも小幅ながら悪化しており、景気の見通しには依然として暗い影が付きまとっている。DIHKは「企業は経済政策、特に債務危機対策を景気の大きなリスク要因とみている」と指摘、政策の不手際で危機を加速させないことが大切だとの見方を強調した。

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輸出については主要取引先である欧州連合(EU)加盟国向けが低迷するとみている。多くの国が財政再建に取り組むためで、これらの国への輸出は中期的に伸び悩む公算が高い。一方、アジアと中南米向けは今年も好調を保ち、米国向けも回復するという。

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企業投資は今年、伸び率がやや弱まるものの、これまでに引き続き高い水準を保つ見通しだ。歴史的な低金利が追い風となっており、特に製造業で投資意欲が高い。内需型の小売やサービスでも拡大する方向という。

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雇用の回復は今年も続く見込みで、失業者数は2011年の298万人から283万人へと減少する。こうした傾向を反映し、アンケートに参加した企業の3分の1は十分な数の専門人材を確保できないと回答した。人材不足は特に建設、機械、物流、ホテル・飲食、通信、IT、派遣、清掃、医療、警備の分野で目立つという。

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