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2012/2/15

企業情報

日立―独鉄道車両市場に参入見通し―

この記事の要約

日立が独鉄道大手Deutsche Bahn(DB)から鉄道車両を受注する公算が高まっている。DBがこれまでの車両調達先であるBombardierとSiemensに対し大きな不満を持っているためだ。日立はDBからの受注を獲 […]

日立が独鉄道大手Deutsche Bahn(DB)から鉄道車両を受注する公算が高まっている。DBがこれまでの車両調達先であるBombardierとSiemensに対し大きな不満を持っているためだ。日立はDBからの受注を獲得すると、独鉄道車両市場に初めて参入することになる。経済誌『ヴィルツシャフツボッヘ』が報じた。

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DBはハンブルクの近距離鉄道網に日立の車両を投入する考え。ハンブルク州は同鉄道網の2018~2033年の運営について公開入札を実施しており、今月中にも落札先を決定する。DBは入札レースの本命馬と目されている。

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DBは同鉄道網で利用する車両60編成を日立から調達する方向で、すでに仮契約を結んだという。成約額は約2億5,000万ユーロ。車両の調達先は公開入札で決定するものの、BombardierとSiemensが落札できる可能性は低く、日立は有利な立場に立っている。

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DBがBombardierとSiemensに不信感を持つのは、両社に発注した車両の納入が大幅に遅れているためだ。

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DBは07年、近距離鉄道車両295編成をBombardierに発注した。契約では11年末までに178編成が納入されるはずだったが、これまでに納入されたのは26編成にとどまる。Siemensも高速鉄道ICEの引き渡しが計画通りに進んでおらず、DBの事業計画にしわ寄せが出ている。

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日立がDBから受注を獲得した場合は為替リスクを回避するために車両を欧州で製造する可能性が高い。

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