スイスの大手商社DKSH(チューリヒ)は15日、6月末までに新規株式公開(IPO)を実施すると発表した。過半数株を保有する持ち株会社Diethelm Keller HoldingがDKSHへの依存度を引き下げ、投資先の多様化を進めたいと考えていることが最大の理由。事業資金は潤沢なため、新株発行の計画はない。
\DKSHはアジア市場にほぼ特化した商社で、消費財、投資財、医薬品メーカーのアジア事業をサポート。市場調査から市場開拓、ブランド管理など幅広い分野でサービスを展開している。事業拠点650カ所のうち630カ所は東アジアにある。日本市場には江戸時代末期の1865年に進出した。
\Diethelm Keller Holdingは現在、DKSH株を63.7%保有する。DKSHのイェルク・ヴォレ社長が『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に明らかにしたところによると、同持ち株会社は出資比率を25%超~50%未満まで引き下げる考えという。DKSHの時価総額は50億スイスフランと推定されており、30%を売り出した場合の上場規模は15億フランに達する見通しだ。
\同社は大手企業であるにもかかわらず、知名度が低い。IPOを実施すれば知名度向上の効果も期待できる。
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