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2012/2/29

総合 - ドイツ経済ニュース

財政悪化国への支援策、少人数の特別委での承認は違憲

この記事の要約

ユーロの財政悪化国に対する欧州金融安定基金(EFSF)の支援策をドイツが承認する際の決定を連邦議会(下院)に新設した少人数の特別委員会で行うのは違憲だとして野党・社会民主党(SPD)の議員が昨年10月に提訴していた裁判で […]

ユーロの財政悪化国に対する欧州金融安定基金(EFSF)の支援策をドイツが承認する際の決定を連邦議会(下院)に新設した少人数の特別委員会で行うのは違憲だとして野党・社会民主党(SPD)の議員が昨年10月に提訴していた裁判で、連邦憲法裁判所(BVerfG)は29日、原告の訴えをほぼ認める判決を下した。審議に参加できない他の議員の予算審議権の侵害に当たると認定。特別委で承認できるのは、EFSFが国債を市場で購入する措置に限られるとの判断を示した。

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連邦議会は昨秋、EFSF支援法案を可決。支援策承認の決議は重要性と緊急性および機密度の度合いに応じて本会議(議員数620人)、予算委員会(同41人)、ないし特別委員会(9人)のいずれかで行うことを決定した。

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これに対し違憲訴訟を起こした議員は、たとえ緊急性を要する場合であってもわずか9人の議員で構成される特別委のみで決定することは他の議員の予算審議権を侵害するものだと主張。BVerfGの裁判官も10月末の時点で違憲の可能性があるとして、特別委による決定を禁止する仮処分命令を下していた。

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政府・与党は今回の判決を受け、EFSF法を改正する意向を表明した。

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