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2012/2/29

企業情報

Commerzbank AG―2011年は純利益半減―

この記事の要約

独民間大手銀行のCommerzbank(フランクフルト)が23日発表した2011年12月通期決算(国際会計基準)の最終利益は6億3,800万ユーロとなり、前期の14億3,000万ユーロから55.4%減少した。中小企業向け […]

独民間大手銀行のCommerzbank(フランクフルト)が23日発表した2011年12月通期決算(国際会計基準)の最終利益は6億3,800万ユーロとなり、前期の14億3,000万ユーロから55.4%減少した。中小企業向け融資など中核事業は好調だったものの、ギリシャの財政問題が大きな足かせとなり、利益水準を強く押し下げた。同行は自己資本基準が将来厳格化されることを踏まえ増資を実施することも明らかにした。

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保有するギリシャ国債の評価額を74%引き下げた。これにより利益が23億ユーロ目減りした。

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増資はCommerzbankが発行したハイブリッド債や劣後債を新株と交換する形で実施する。これにより狭義の中核自己資本(Core Tier 1)を10億ユーロ以上、増強できる見通しという。同行によると、増資は欧州銀行監督機構(EBA)の命令に基づき1月19日に打ち出した自己資本の増強策とは直接関係がなく、別枠で実施するとしている。

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国(連邦)はCommerzbankの株式を25%強保有している。増資に伴う出資比率の低下を避けるため、同行に対する匿名出資(stille Einlage)の一部を株式に転換する。

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ドイツの商法典に基づく2011年12月期の最終損益は36億ユーロの赤字となった。このため、Commerzbankは国の隠匿出資に対する利払いを今年も実施しない。

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同行は金融危機と同業Dresdner Bankの買収で財務が悪化したため、2008年と09年に国から総額182億ユーロの支援を受けた。このうち162億ユーロを匿名出資、残りを自社株が占める。匿名出資のうち143億ユーロは昨年、返還しており、現在は19億ユーロまで低下している。

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