スズキの小型車「スイフトGTi」は自社の商標「GTI」を侵害しているとしてGTIブランドを保持する独フォルクスワーゲン(VW)が提訴している係争で、欧州司法裁判所(ECJ)の第一審裁判所は21日、VWの訴えを棄却した。判決理由で裁判官は、多くの自動車メーカーが「GTI」の文字を他の文字と組み合わせて使っていることを指摘。スズキ車には名前の初めに「スイフト」の文字が入っており、VWの「GTI」と混同される恐れはないとの判断を示した。
\スズキは2003年、スイフトGTiの商標を欧州共同体商標意匠庁(OHIM)に申請。これに対し、すでに「GTI」という名称を商標登録していたVWは、「ゴルフGTI」と混同されるとして登録を認めないよう求めたが、OHIMは「GTI」は車種ではなく、車やエンジンの技術的特長を示すものとして一般的に受けとめられており、「ゴルフGTI」とは「スイフト」という部分で区別できるとして登録を認めた。これを不服とするVWは04年、登録取り消しを求めて欧州裁に提訴していた。
\VWの広報担当者は同判決について「判決文を精査して上訴するかどうか決める」とコメントした。
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