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2012/3/28

経済産業情報

支払遅延防止法で「払い手のモラルが低下」、建設業界が批判

この記事の要約

連邦法務省が先ごろ提出した「公共機関や企業による支払い遅延を防止するための法案」草稿を、建設業界が批判している。同法案は欧州連合(EU)指令を国内法に転換するもので、支払い期限延長を最大60日まで認めている。これに対し独 […]

連邦法務省が先ごろ提出した「公共機関や企業による支払い遅延を防止するための法案」草稿を、建設業界が批判している。同法案は欧州連合(EU)指令を国内法に転換するもので、支払い期限延長を最大60日まで認めている。これに対し独建設業中央連盟(ZDB)は「現行の工事契約法では完成後ただちに支払う決まり。新法案はこれを何倍にも引き延ばすことを認めるもので、業界にとっては改悪でしかない」と懸念を示した。

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当該のEU指令(2011/7/EU)は公共機関や企業に対し、請求から30日以内の支払いを義務づけている。ただ、公共機関についてはやむを得ない事情がある場合、企業についても受発注者双方が合意した場合に、60日まで支払い期限を延長できる。また、納品検収手続き期間については最大30日を認めている。

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ZDBや独建設業全国連盟(HDB)はこれについて、「現行法では納品検収は完成後12日以内、支払いはただちに行うことが取り決められている。一方、新ルールでは納品検収に30日、支払いに60日の猶予を認めている。発注業者に比べ立場の弱い建設業者は支払いの引き延ばしを受け入れざるを得ず、無利子で3カ月間、資金を融資するようなものだ」と問題点を指摘。中小企業を支払い遅延から守るという本来の趣旨は達成できないとしている。独弁護士協会も改善の余地が大きいと指摘する。

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