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2012/4/4

経済産業情報

リサイクル促進で焼却炉過多が深刻に

この記事の要約

ハンブルク世界経済研究所(HWWI)がこのほど発表したゴミ処理施設に関する調査で、一般ごみ・産業廃棄物などのゴミが2020年には現在より500万トン減少するとの見通しを明らかにした。分別収集の拡大でリサイクルされずに焼却 […]

ハンブルク世界経済研究所(HWWI)がこのほど発表したゴミ処理施設に関する調査で、一般ごみ・産業廃棄物などのゴミが2020年には現在より500万トン減少するとの見通しを明らかにした。分別収集の拡大でリサイクルされずに焼却処分となるゴミが減る結果、全国69カ所の焼却施設は深刻な過剰処理能力を抱え込むことになりそうだ。

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ゴミ減少の背景には、リサイクル促進を目指す新たな法律「循環型経済および廃棄物法(KrWG)」が6月1日に施行されることがある。同法は08年11月に発効した欧州連合(EU) の廃棄物に関する枠組指令(2008/98/EC)を国内法に転換するもので、全国の自治体は15年までに使用済み製品などの資源ごみを回収するコンテナの設置を義務づけられる。また、16年以降は生ごみの分別が細分化される。その一方で、ゴミ焼却施設は08年以前に設置したもので60%以上の稼働率、09年以降に設置したものでは同65%以上が義務化される。

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この結果、自前で収集するゴミだけでは稼働率基準を達成できない自治体は、イギリスやポーランドなど焼却施設が不足している周辺諸国からゴミを輸入せざるを得なくなる。HWWIの試算によると、住民がやや積極的にゴミ分別に協力した場合、20年には可燃ゴミが300万トン不足する見込みだ。

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