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2012/4/4

経済産業情報

民間健保が保険料大幅値上げ

この記事の要約

独消費者センター全国連盟(VZBV)は3月29日、民間健康保険会社が保険料を大幅に値上げしているとの報告書を発表した。それによると、「保険料が高くなりすぎて払えない」「料金の安い健保への切り替えに応じてもらえない」などと […]

独消費者センター全国連盟(VZBV)は3月29日、民間健康保険会社が保険料を大幅に値上げしているとの報告書を発表した。それによると、「保険料が高くなりすぎて払えない」「料金の安い健保への切り替えに応じてもらえない」などといった加入者からの相談が今年に入って急増。極端な場合では保険料が一気に60%上がったケースもあった。

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VZBVは今年1~3月中旬に全国の民間健保加入者から寄せられた苦情のうち、保険料に関する144件の内容を分析した。保険会社別ではCentralが65件で最も多く、2位はGothaer(25件)だった。Centralの平均値上げ率は28.4%、Gothaerは同26.4%で、その他の保険会社の平均(20.56%)を大きく上回っている。

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値上げ率の最高はCentralが60%、Gothaerが45%、その他の保険会社は58%だった。料金が大きく引き上げられた主な加入者は10年以上同じ保険に加入いた人か中高年層(45歳以上)で、59歳のある女性は保険料が月1,095ユーロに引き上げられた。料金が高すぎるとして加入者が保険料の安いプランに変更を申し出たケースでは「スムーズに受け入れられた」のが144件中2件に過ぎなかったという。

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VZBVは「大幅な値上げで打撃を受けたのは一部の加入者に過ぎない」としながらも、「公的健保であれば保険料値上げを理由に解約が認められる」と指摘。政府に対し民間健保被保険者の権利拡大に取り組むよう要求した。また消費者に対しては「一度公的健保から民間健保に切り替えると、再び公的健保に戻ることはほぼ不可能」として、目先の料金の安さにとらわれず慎重に判断するよう注意を促した。

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