化学大手の独BASFが4月27日発表した2012年1-3月期(第1四半期)の営業利益(EBIT、特別項目を除く)は25億3,200万ユーロとなり、前年同期から7.3%減少した。原料価格高騰分を顧客に転嫁しきれなかったことが影響。最終利益は28.5%減の17億2,400万ユーロへと落ち込んだ。売上高は205億9,000万ユーロで、6.3%増加した。販売量は前年同期とほぼ同水準だったという。
\EBITの減少幅が特に大きかったのはプラスティックと化学品の2部門で、それぞれ44.3%、39.0%に達した。同社は第1四半期に平均5%の値上げを行ったものの、原料高騰分を相殺できなかった格好。ハンスウルリヒ・エンゲル財務担当取締役は「さらなる値上げを浸透させなければならない」との立場を表明した。
\石油・ガス部門のEBITは55.5%増加した。エネルギー価格高騰のほか、リビア内戦で中止していた現地の石油採掘を再開させたことが大きい。農薬部門も北米での播種が例年より早く行われた効果で22.2%の増益となった。
\同社は第1四半期の減益にもかかわらず、2012年通期決算で売上高と営業利益記録を更新するとした従来予測を据え置いた。上半期は業績が低迷するものの、下半期には回復するとみている。
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