欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2012/5/30

経済産業情報

家庭用燃料電池コジェネ、ドイツで市販化

この記事の要約

固体酸化物形燃料電池(SOFC)の世界的大手である濠・独系のCeramic Fuel Cells(CFCL)はこのほど、SOFCを利用した家庭用小型熱電併給(マイクロコジェネ)システム「BlueGen」をドイツで発売した […]

固体酸化物形燃料電池(SOFC)の世界的大手である濠・独系のCeramic Fuel Cells(CFCL)はこのほど、SOFCを利用した家庭用小型熱電併給(マイクロコジェネ)システム「BlueGen」をドイツで発売した。SOFCマイクロコジェネがドイツで市販されるのは今回が初めて。CFCLは老朽化した暖房・給湯設備のリフォーム需要を見込む。22日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

\

BlueGenでは電力供給(発電)に主眼が置かれている。暖房・給湯需要が低下する夏季でも継続して運転できるほか、エネルギー余剰時に売電できる法的環境が整備されているためだ。発電効率は最大で60%、出力は1,500W。最適環境で稼働した場合の年間発電量は1万3,000kWhで、標準世帯(年間消費量3,500kWh)3世帯分の電力を十分に賄える。

\

発電の比率が高い分、温熱供給が少なく(エネルギー変換効率25%、熱出力625W)冬季の暖房・温熱需要は賄いきれないものの、排熱利用まで含めた全体のエネルギー変換効率は最大85%と、世界最高水準に上る。また、ドイツの標準的なエネルギーミックスで電力供給を受けた場合に比べ二酸化炭素(CO2)の排出量は半分にとどまるといい、同社は環境負荷の軽減や自家発電に関心を持つ家庭・企業に売り込んでいく意向だ。

\

BlueGenの生産はアーヘン近郊のハインスベルク工場で行う。CFCLのプレスリリースによると、同システムの注文台数は5月初旬時点で355台に上る。

\