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2012/5/30

経済産業情報

独建設業界、12年は4%成長見通し 住宅バブル懸念を業界団体は否定

この記事の要約

独建設業全国連盟(HDB)は23日の年次記者会見で、今年の業界売上高が前年比で4%増加するとの予測を発表した。前年に引き続き住宅部門が好調で、商業建築部門も堅調に推移。コスト上昇を加味した実質でも約2%成長するとみている […]

独建設業全国連盟(HDB)は23日の年次記者会見で、今年の業界売上高が前年比で4%増加するとの予測を発表した。前年に引き続き住宅部門が好調で、商業建築部門も堅調に推移。コスト上昇を加味した実質でも約2%成長するとみている。公共建設部門では苦戦が続く見通し。

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住宅部門が好調なのは景気や雇用の拡大、過去最低水準の住宅金利に加え、金融市場の悪化を背景に不動産が手堅い投資先として人気を獲得しているためだ。今年1-3月期(第1四半期)の売上高は前年同期比で7%拡大。通期でも7%の成長が見込まれている。

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住宅バブルの懸念についてHDBのトーマス・バウアー会長は、◇不動産価格は安定している◇今年の住宅着工件数が予想(21万戸)を上回ったとしても、業界が試算する実際の住宅需要には届かない――と指摘したうえで、スペインのような住宅価格の崩落は「起こらない」との考えを示した。

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商工業建築部門の1-3月期の売上高は4%増加した。通期では5%の拡大を見込む。

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見通しが不透明なのは公共建設だ。税収増や連邦政府によるインフラ整備促進、地方自治体による交通インフラ投資拡大など、業界を取り巻く環境は改善しているものの、自治体は新規投資に慎重で、第1四半期の部門売上は前年同期を10%下回った。通期でも1%の減少が見込まれるという。

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