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2012/6/6

企業情報

Vodafone―独で電力サービス事業に参入―

この記事の要約

移動通信大手の英Vodafoneがドイツで電力情報サービス市場に参入する。再生可能エネルギーを大幅に拡充する同国のエネルギー転換政策を追い風に将来性の高い市場に発展する公算が高いためで、通信サービス事業の不振を相殺する事 […]

移動通信大手の英Vodafoneがドイツで電力情報サービス市場に参入する。再生可能エネルギーを大幅に拡充する同国のエネルギー転換政策を追い風に将来性の高い市場に発展する公算が高いためで、通信サービス事業の不振を相殺する事業に育て上げる意向だ。競合のDeutsche Telekomはすでに同市場に参入済み。5日付『ハンデルスブラット』紙が事業担当者への取材をもとに報じた。

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Vodafoneは分散型エネルギー源のネットワークを統合・制御する「仮想発電所(VPP)」ソリューションを提供する。VPPは分散する電源をITネットワークで結び、あたかも1つの発電所であるかのごとく統合・制御するシステム。風力や太陽光など天候に左右される自然エネルギーやコジェネなどの小型分散電源が増加するなか、それぞれが無関係に発電を行えば供給が需要を上回り、送電網に過剰な負荷がかかる恐れがある。

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Vodafoneは電力需要家である企業の施設にスマートメーターを設置し、消費データを都市エネルギー公社などの発電事業者に随時提供。電力の需給バランスを保ち、送電網に過度な負担がかからないようにする。

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ノウハウは自社の電力管理業務を通して蓄積した。同社は携帯電話の基地局や電算センター、オフィスに計2万4,000個のスマートメーターを設置して電力需要を効率的に制御。その実績をもとに電力会社と交渉し割安料金の適用を受けることに成功した。電力コストは約13%低下したという。

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