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2012/6/13

経済産業情報

電子書籍市場が拡大、通販売上も増加

この記事の要約

独書籍取引協会が4日発表した国内業界動向によると、2011年の書籍小売市場規模は前年比1.4%減の96億ユーロとなり、7年ぶりに減少に転じた。世界的な景気減速や欧州債務危機の影響が書籍業界にも波及したためとしている。市場 […]

独書籍取引協会が4日発表した国内業界動向によると、2011年の書籍小売市場規模は前年比1.4%減の96億ユーロとなり、7年ぶりに減少に転じた。世界的な景気減速や欧州債務危機の影響が書籍業界にも波及したためとしている。市場低迷のなかで電子書籍の需要は伸びており、小売売上高(教科書・学術書除く)に占めるシェアは前年の0.5%から1%に拡大。販売部数は200万部から470万部へと大きく増加した。

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販売チャンネル別の書籍売上高をみると、一般書店は3%減の47億8,000万ユーロ、デパートの書籍売り場は13.1%減の1億8,000万ユーロ、会員制書籍販売店は12.7%減の1億9,000万ユーロと苦戦した。一方、通販(オンライン販売含む)は2.3%増の17億1,000万ユーロに拡大、出版社の直販も1.7%増の18億ユーロと好調だった。

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書籍取引協会の委託を受けて市場調査会社GfK Panel Serviceが実施した電子書籍に関するアンケート調査によると、11年に電子書籍を発行・販売した出版社は49%(14ポイント増)に上った。電子書籍を発行している割合は出版社の規模が大きいほど高く、小規模企業の43%(15ポイント増)に対し、中規模企業は64%(20ポイント増)、大規模企業は81%(14ポイント増)に達した。

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電子書籍を発行している出版社を対象に電子書籍化の実施比率を尋ねたところ、新刊本で42%(3ポイント増)、既刊本で30%(4ポイント増)に上った。1社当たりの電子書籍発行タイトル数は平均162件で24件減少したものの、これはアンケートの対象に含まれる中小出版社が増えたためという。出版社の売上高全体に占める電子書籍の割合は6.2%(0.8ポイント増)で、規模はまだ小さい。

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