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2012/6/20

経済産業情報

欧州鉄鋼各社が7月に値上げか

この記事の要約

欧州の鉄鋼大手各社が製品価格の引き上げを計画しているもようだ。採算割れに陥っているためで、7月に約5%値上げする方向という。15日付『ハンデルスブラット(HB)』紙が独自取材をもとに報じた。\ 5%の値上げが行われると、 […]

欧州の鉄鋼大手各社が製品価格の引き上げを計画しているもようだ。採算割れに陥っているためで、7月に約5%値上げする方向という。15日付『ハンデルスブラット(HB)』紙が独自取材をもとに報じた。

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5%の値上げが行われると、自動車などに用いる鋼板の価格はトン当たり約550ユーロに上昇する。独ザルツギターの広報担当者はHB紙に対し「是が非でも値上げしたい」との立場を明らかにした。競合のアルセロール・ミタル、ティッセン・クルップ、タタ・スチールも値上げを狙っているという。

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鉄鋼需要は現在、低迷しており、今後はさらに減少すると予想されている。欧州債務危機が一段と深刻化しているうえ、夏季バカンスに入ると自動車メーカーが生産規模を縮小するためだ。それにも関わらず値上げに踏み切る理由について鉄鋼業界関係者は、赤字生産をいつまでも続けることはできないと語った。

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価格を引き上げるには供給量を減らす必要があり、ティッセン・クルップはすでに高炉1基の運転を停止した。アルセロール・ミタルでは同7基に上る。HB紙によると、同社はさらに仏ダンケルクと西アストリアスでも高炉を停止するもようだ。

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