欧州経済の中心地ドイツに特化した
最新の経済・産業ニュース・企業情報をお届け!

2012/9/26

総合 - ドイツ経済ニュース

家畜への抗生物質投与制限へ、法改正案を閣議了承

この記事の要約

ドイツ政府は19日の閣議で、薬事法改正案を了承した。養鶏・家畜農家が抗生物質を大量投与している現状を改めることが狙い。法案は議会での採決を経て来春に施行される見通しだ。\ 鶏や豚を大量に飼育する鶏舎/畜舎で感染症や伝染病 […]

ドイツ政府は19日の閣議で、薬事法改正案を了承した。養鶏・家畜農家が抗生物質を大量投与している現状を改めることが狙い。法案は議会での採決を経て来春に施行される見通しだ。

\

鶏や豚を大量に飼育する鶏舎/畜舎で感染症や伝染病が発生すると、群れ全体が感染する恐れがあるため、抗生物質を混ぜた餌が与えられている。この結果、薬剤が効かない耐性菌が発生しやすく、環境・自然保護連盟(Bund)が実施した検査では、スーパーで販売される鶏肉の半数以上から耐性菌が検出された。免疫力が低下した病人などが耐性菌に感染すると治療が困難なため、アイグナー農業相は事態を深刻視。改正法案を作成した。

\

法案には抗生物質の投与抑制に向け◇必要な場合以外は投与を認めず、違反者には刑罰を科す◇詳細な投与記録の作成を農家に義務づけ4半期ごとに役所への提出を義務づける◇当局間の情報交換体制を改善する◇全国レベルのデータバンクを開設する◇投与量の多い農家には改善計画の作成を義務づける◇人間医学にとって重要な抗生物質については家畜・家禽への投与を制限する――などの規定が盛り込まれた。

\