従業員の代表機関である事業所委員会(Betriebsrat)は四半期に1回、従業員集会(Betriebsversammlung)を開催し、活動報告を行わなければならない。これは事業所体制法(BetrVG)43条で義務づけられたルールである。
\では、同集会で飲食を行った場合、その費用は事業所委の活動に必要な経費と見なされ、雇用主が負担しなければならないのだろうか。この問題に関する係争でニュルンベルク州労働裁判所が決定(訴訟番号:4 TaBV 58/11)を下したので、ここで取り上げてみる。
\裁判を起こしたのはバイエルン州にある繊維販売店の事業所委員会。同委は2011年7月26日11~18時の7時間、従業員集会を開いた。長時間に渡るためパンと飲料を用意。その費用39.71ユーロを会社に請求したところ却下されたため、提訴した。
\第1審のニュルンベルク労働裁判所は原告の訴えを棄却し、第2審のニュルンベルク州労裁も1審判決を支持した。判決理由で裁判官は、従業員集会の飲食費は事業所委の必要経費に当たらず、事業所体制法40条1項(事業所委員会の活動で発生した費用は雇用主が負担する)に基づく雇用主の負担義務の範囲に入らないとの判断を示した。また、被用者は通常、昼食を自己負担でとるものだとも指摘。従業員集会が長時間に及ぶ場合は、休憩を設けて各自で食事をとれるようにすればよいとの見解を提示した。
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