独連邦議会(下院)は17日、節電法の改正案を与党の賛成多数で可決した。割安な深夜電力を利用した蓄熱暖房機を2020年以降も利用できるようにすることが柱。これまでは同年以降、全面的に禁止することになっていた。
\深夜電力暖房はエネルギー効率が悪いため、キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と社会民主党(CDU)からなる第1次メルケル政権は09年、同暖房の利用を20年から禁止する方向で節電法を改正した。だが、11年の福島原発事故を受けて再生可能エネルギーの普及を加速させる「エネルギー転換政策」を打ち出したことでエネルギー事情が大きく変化したため、政府(第2次メルケル政権)は方針を転換。電力供給量が天候に大きく左右される再可エネ電力の需給調整に深夜電力暖房を活用する。
\ドイツには現在、深夜電力暖房が150万台以上ある。今回の法改正では1990年以前に設置された設備については20年以降の利用が禁止されたものの、それ以降の設備については最大30年間の利用が認められる。
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