自動車大手のDaimlerと化学大手のEvonikがリチウムイオン電池合弁会社Li-Tec Batterie GmbH(カメンツ)の売却を視野に入れているもようだ。『ウォールストリート・ジャーナル(ドイツ版)』紙が10日報じた。Daimlerの広報担当者はまだ決定を下していないとしながらも「Li-Tecの事業基盤を長期的に拡大するために様々なオプションを検討している」ことを認めた。
\Li-TecはEvonikが2006年にLi-Tec Vermögensverwaltungs-GmbHとして設立したリチウムイオン電池の開発・製造会社で、08年にDaimlerの出資を受け入れ、社名をLi-Tec Batterie GmbHに変更した。出資比率はEvonikが50.1%、Daimlerが49.9%。独東部のカメンツに工場を持ち、2011年に生産を開始した。Smartブランド(Daimler傘下)の電気自動車(EV)向けに電池を供給している。
\両社が同合弁の売却を検討するのは、赤字が続いているうえ、EV市場が遅々として拡大しないためだ。独ボッシュのベルント・ボーア取締役(自動車部品部門担当)はEV普及の条件として、電池容量が現在の2~3倍に拡大するほか、コストが半減することを挙げている。
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