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2013/6/12

企業情報

IBC Solar AG―中国製太陽光パネルを「買いだめ」―

この記事の要約

太陽電池システムサプライヤーの独IBC Solar(バート・シュタッフェルシュタイン)が中国製の太陽光パネルを大量に買い増した。欧州連合(EU)が中国製パネルに暫定的な反ダンピング(不当廉売)関税を課すことを受けた措置で […]

太陽電池システムサプライヤーの独IBC Solar(バート・シュタッフェルシュタイン)が中国製の太陽光パネルを大量に買い増した。欧州連合(EU)が中国製パネルに暫定的な反ダンピング(不当廉売)関税を課すことを受けた措置で、在庫を通常よりも30%増やしたという。ウド・メーアシュテット社長が『ハンデルスブラット』紙に明らかにした。

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欧州委員会は4日、中国製パネルに暫定的な反ダンピング税を課すことを正式決定した。税率は6日からが平均11.8%で、中国側がEUとの協議で是正に応じなければ8月6日から同47.6%に引き上げる。

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IBC Solarは太陽光パネルの80%を中国から調達している。このため中国製品に高関税が課されるとしわ寄せが大きく、EUと中国の協議が決裂し8月から税率が引き上げられた場合は、次善の策をとる。

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同社の2012年売上高は5億9,600万ユーロで、前年から25%減少した。価格下落が響いた格好で、販売量は4%減の463メガワットだった。営業利益は計上したものの、最終損益は1,800万ユーロの赤字となった。国外子会社と倒産した独太陽光パネルメーカーSolarwattの保有株で減損処理を行ったことが響いた。今年は売上高が4億ユーロ弱まで落ち込み、営業利益も収支トントンにとどまると予想している。

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財務は健全で、自己資本比率は76%と高い。銀行債務も抱えていないという。

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