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2013/6/19

経済産業情報

高効率ガス発電所が開所直後に稼働停止

この記事の要約

ノルウェー国営電力大手スタットクラフトは13日、ヒュルト(ケルン近郊)のクナップザック化学工業団地でガスコンバインドサイクル(GTCC)発電所「Knapsack II」の開所式を行った。同発電所は世界最高水準の発電効率を […]

ノルウェー国営電力大手スタットクラフトは13日、ヒュルト(ケルン近郊)のクナップザック化学工業団地でガスコンバインドサイクル(GTCC)発電所「Knapsack II」の開所式を行った。同発電所は世界最高水準の発電効率を誇り、フル稼働時で約50万世帯の需要を賄う発電能力を備える。だが、天然ガス価格高騰と電力価格下落で「運転するほど赤字が増える」ため、数時間稼働しただけで運転を停止した。発電再開の予定は当面なく、投資額3億5,000万ユーロを回収できない恐れがある。地元紙『ケルナー・シュタットアンツァイガー』が報じた。

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クナップザックにはKnapsack IIのほか、07年に営業運転を開始したGTCC「Knapsack I」(投資総額4億ユーロ)がある。こちらも現在、運転を見合わせている。

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稼働停止の背景には、連邦政府が11年に打ち出した「エネルギー転換政策」でガス発電が「再可エネの補完役」と位置づけられ、稼働時間が短くなったこともある。排出権価格の下落で、石炭発電所を稼働させた方がコスト安ということも追い打ちをかける。

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バイエルン州フォーブルクにあるIrsching発電所も営業開始から3年で運転停止の危機に見舞われたが、こちらは高圧送電網運営会社のTennetがコストの一部を負担することで運転が維持されている。

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