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2013/6/19

経済産業情報

低料金でリムジンサービス、タクシー業界警戒

この記事の要約

独レンタカー大手シクストの子会社MyDriverはこのほど、高級車を利用したリムジン送迎サービスを開始した。料金は一般タクシーとほぼ同じに設定しており、これまで「要人やセレブ、金持ちだけの贅沢」というイメージが強かった同 […]

独レンタカー大手シクストの子会社MyDriverはこのほど、高級車を利用したリムジン送迎サービスを開始した。料金は一般タクシーとほぼ同じに設定しており、これまで「要人やセレブ、金持ちだけの贅沢」というイメージが強かった同サービスのすそ野を観光客や出張客など一般の市民にも広げる狙いだ。

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MyDriverは現在、国内10都市(ベルリン、ミュンヘン、デュッセルドルフ、ケルン、フランクフルト、ハンブルク、シュツットガルト、ドレスデン、ニュルンベルク、ハノーバー)とウイーン、チューリヒ、アムステルダムでサービスを提供している。サービス利用にはウェブサイト、ホットライン(電話)、スマートフォンアプリによる事前予約が必要で、時間や場所、行先などを指定すると、予約した時間に専門の訓練を受けた運転手とともに車が迎えに来て、目的地まで送迎する。料金は定額制となっており、渋滞や工事などで時間や距離が延びても追加料金がかからない。送迎車両はエコノミー、ビジネスなど4種類から選べる。頻繁に利用する法人顧客には割引や月末にまとめて料金を請求するサービスも提供している。

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『ヴェルト』紙によると、MyDriverは送迎サービスを仲介するだけで、自社車両や従業員を投入するわけではない。また、ベルリンのスタートアップ企業Blacklane、米Uberも同様のサービスを展開しており、市場が広がれば同事業に参入する企業が今後、増える可能性もある。

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タクシー業界はMyDriverなどのサービスによって事業が脅かされることはないと静観している。一方、主に中小の事業者からなる法人向け送迎サービス業者は「深刻な打撃を受けかねない」と警戒する。また、リムジンサービス業界(VLD)の関係者は、「MyDriversの料金では利益はほとんど出ない」と指摘し、業界の労働条件悪化につながりかねないと懸念を示す。

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