経営危機に直面する独民生家電メーカーのLoewe(クローナハ)がアジアの同業から出資を受ける方向で交渉している。大株主のシャープなどが増資に応じる姿勢をみせないためだ。マティアス・ハルシュ社長が『フランクフルター・アルゲマイネ』紙などに明らかにした。
\同社は販売不振で業績が急速に悪化しており、資本金は年初から5月末までの5カ月間で半分以下に減少した。このため、早急に増資を行わないと経営破たんが避けられない見通し。出資交渉先メーカーの名前は伏せている。
\Loeweは高級家電を売り物にするメーカーで、同社製テレビの価格は市場平均を50~100%上回る。デザインや技術は優れているものの、買い手が少なく、これが経営不振の原因になっている。
\このため今後は市場平均との価格差が15~20%程度にとどまる製品を投入、顧客層を拡大し販売台数を現在の年20万台から100万台へと拡大する意向だ。
\製品価格の引き下げに向けては今後出資を仰ぐアジアの提携先メーカーに生産を委託する。独本社工場での生産は手作りの最高級品に限定する。
\これまで見合わせてきた家電量販店での販売にも乗り出し、ブランドの存在感を高めていく。
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