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2013/7/17

経済産業情報

新車ネット販売急成長、実店舗は事業モデルの転換が必要に

この記事の要約

独立系のネット仲介業者による新車販売がドイツで拡大している。特に成長著しいのは2007年設立のMeinAuto GmbH(ケルン)で、昨年は運営するオンラインサイト(meinauto.de)を通して前年を5,000台上回 […]

独立系のネット仲介業者による新車販売がドイツで拡大している。特に成長著しいのは2007年設立のMeinAuto GmbH(ケルン)で、昨年は運営するオンラインサイト(meinauto.de)を通して前年を5,000台上回る1万5,000台を仲介販売。今年は2万台を見込む。市場では無視できない存在になっており、実店舗のディーラーは生き残りに向けた新たな事業モデルを迫られている。7月15日付『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』紙が報じた。

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MeinAutoはアレクサンダー・ブッゲとカールステン・ゼールの2人が設立した。両者は設立に先立つ04年、サービス・家屋修繕業者向けのオークションサイト「letsworkit.de」を立ち上げてネット仲介事業のノウハウを蓄積。また、09年にはディーラーと事業者(法人)をつなぐ新車ポータルサイト「pro-neuwagen.de」を開設した。

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meinAuto.deが手がけるのはクルマを売りたいディーラーと買いたいユーザーの仲介で、仕入れと販売は行っていない。クルマの大半はメーカーからの報奨金(リベート)を獲得するために、一台当たりの売上高を落としてでも販売台数を引き上げたいディーラーが提供する特別品で、カタログ価格に比べて平均15%安い。ネット販売のため、試乗やアドバイスなどのサービスは受けられないものの、購入予定のモデルが確定しており、できるだけ低価格で取得したいユーザーにとってはメリットが大きい。

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こうした流れを受け、店頭ディーラーも対抗策に乗り出した。自動車販売業界団体(ZDK)は◇乗りたいブランドと購入上限額がはっきり決まっている◇販売者の顔が見える実店舗で購入したいが、ディーラーとの値引き交渉を煩わしく思う――顧客向けに新たな新車取引サイトを準備中という。これに対しMeinAutoの関係者は「特定のブランドにこだわるユーザーは減少し続けている。ニーズに合っているとは言えない」として静観の構えをみせている。

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