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2013/7/17

経済産業情報

保証利率なしの新型生保、アリアンツが投入

この記事の要約

独保険最大手アリアンツが、余剰金配当利回り(Ueberschussbeteiligung、以下「配当利回り」)を高くする代わりに保証利率を適用しない新たな年金型生命保険商品を市場投入した。金融市場低金利が長期化し運用利回 […]

独保険最大手アリアンツが、余剰金配当利回り(Ueberschussbeteiligung、以下「配当利回り」)を高くする代わりに保証利率を適用しない新たな年金型生命保険商品を市場投入した。金融市場低金利が長期化し運用利回りの確保が困難になっていることを受けたもので、配当利回りが保証利率を割り込んだ場合は被保険者に不利になるものの、上回り続けた場合には通常の生命保険より受け取り額が高くなる「ハイリスク・ハイリターン」商品だ。

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アリアンツの新型生命保険では、保証利率以下の配当利回りしか得られないリスクと引き換えに、元本は全額保証とし、毎年支払う年金額にも最低保証を設ける。「ローリスク・ローリターン」の従来型生保商品を契約するか、ハイリスク・ハイリターンの商品を選択するかはあくまでも顧客の自由としている。

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アリアンツの新型保険の背景には、保証利率が保険会社にとって大きな重荷になっていることがある。保証利率は保険契約に対して金融市場の動向にかかわりなく保証される年利の最低基準。1995~2000年には4%だったが、00年以降は段階的に引き下げられ、12年からは1.75%となっている。契約年の保証利率は契約満了時まで有効なため、低金利の長期化で十分な運用益が確保できなくても、高利回り時代の利率を保証する必要がある。アリアンツは、保証利率の足かせを外す代わりに軽減された負担分を配当利回りに充てるというコンセプトで、低金利時代に少しでも高い利回りを得たい顧客のニーズに対応する考えだ。

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