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2013/7/17

ゲシェフトフューラーの豆知識

派遣社員の長期採用は違法

この記事の要約

派遣社員を採用する際は、従業員の代表機関である事業所委員会(Betriebsrat)の承認を得なければならない。これは労働者派遣法(AUEG)14条3項第1文に記された決まりである。事業所委は派遣社員の採用が法令や労使協 […]

派遣社員を採用する際は、従業員の代表機関である事業所委員会(Betriebsrat)の承認を得なければならない。これは労働者派遣法(AUEG)14条3項第1文に記された決まりである。事業所委は派遣社員の採用が法令や労使協定に違反する場合、事業所体制法(BetrVG)99条2項1の規定に基づき承認を拒否できる。では、雇用主が派遣社員を雇用期間を限定せずに採用しようとする場合、これを違法として承認を拒むことができるのだろうか。この問題をめぐる係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が10日に決定(訴訟番号:7 ABR 91/11)を下したので、ここで取り上げてみる。

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裁判は派遣社員の無期限採用を事業所委に拒否された企業が起こしたもので、BetrVG99条4項の規定に従い、裁判所に採用の承認を求めた。

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原告企業は1、2審で勝訴したものの、最終審のBAGは逆転敗訴を言い渡した。決定理由で裁判官は、派遣社員の採用期間は「一時的」でなければならないとしたAUEG1条1項第2文の規定を指摘。期間を限定せずに派遣社員を採用することはこの規定に反するとして、事業所委が承認を拒否したのは妥当だとの判断を示した。

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