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2013/7/24

経済産業情報

下水熱を暖房・給湯熱源に、国内で計40カ所

この記事の要約

下水管を流れる未処理下水から採熱して給湯や冷暖房に利用するシステムを導入する試みがドイツ各地で行われている。国内で稼働する設備は現在、ラウエンベルク(バーデン・ヴュルテンベルク州)、ベルリンなど約40カ所に上り、ベルリン […]

下水管を流れる未処理下水から採熱して給湯や冷暖房に利用するシステムを導入する試みがドイツ各地で行われている。国内で稼働する設備は現在、ラウエンベルク(バーデン・ヴュルテンベルク州)、ベルリンなど約40カ所に上り、ベルリン周辺の関連中小企業が情報交換の場として2009年に立ち上げたネットワーク「e.qua」は、39社・機関が加盟する全国的なネットワークに発展した。16日付『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が報じた。

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ドイツ内外で40件のプロジェクトを手がけた下水管メーカーUhrig Strassen-Tiefbau(E.qua加盟)のウーリッヒ社長によると、同社が開発した下水熱利用システム「Therm-Liner」は、管梁の底部に長さ1メートルのステンレス製パネルを敷きつめていくもので、直径400ミリメートルの下水管であれば、管のメーカーを問わず設置できる。パネルのコストは採熱能力1キロワット(kW)当たり500~1,000ユーロと高価だが、一度取り付ければ「何十年もメンテナンスが要らない」ため、数年で元が取れるという。ドイツ国外ではフランスのエリゼ宮、パリ市、コペンハーゲンなどで導入されている。フランクフルトでは熱容量700kW、冷却容量500kWの大規模プロジェクトを計画中という。

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