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2013/7/24

経済産業情報

欧州ソーラー蓄電市場、20年に50億ユーロ規模に

この記事の要約

太陽光発電の余剰電力を売電せずに蓄電し、発電できない時間帯に使用するソーラー蓄電システム市場が拡大する見通しだ。ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)によると、欧州業界売上高は2015年に20億ユーロ、20年には […]

太陽光発電の余剰電力を売電せずに蓄電し、発電できない時間帯に使用するソーラー蓄電システム市場が拡大する見通しだ。ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)によると、欧州業界売上高は2015年に20億ユーロ、20年には50億ユーロに達する見込み。蓄電システムコストの約半分を占める蓄電池の分野ではドイツが主導的な地位を握り、「15年までに欧州市場シェアの6割をドイツメーカーが占める」という。18日付『ハンデルスブラット』紙が報じた。

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ソーラー蓄電システムへの関心が高まる背景には、補助金(買い取り価格)の引き下げで自家消費のメリットが高まったことがある。家庭用の小型発電装置向けの独補助金は2010年、それまでの39セント/kWhから同17セントに引き下げされた。一方、発電装置の価格下落で発電コストも下がっており、補助金を差し引いた実質では電力会社から電力を購入(平均25セント/kWh)するより割安になるという。

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蓄電システムは小型のもので容量1kWh当たり最低でも1,500ユーロと、まだかなり高価だ。蓄電システムメーカーPrsolの試算によると、発電装置と蓄電システムを合わせた発電コストは、政府からの設置補助金を差し引いても36セントと、電力を購入した方が安上がりになる。ただ、BCGは電力価格が今後、上昇すると見込んでおり、長期的には元が取れると指摘する。

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